独学で登録販売者資格試験に合格した私の勉強方法
登録販売者は、2009年に誕生した一般用医薬品(第2類・3類)の販売に携わることができる資格です。
ドラッグストア業界では、通称「登販」と呼ばれています。
合格率は毎年45%前後と低く、試験は難しそうなイメージがありますが、勉強して試験範囲の内容を頭に叩き込めば合格できる資格です。
実際、私は独学で平成29年度の試験に挑み、自己採点の結果、9割正解していて無事に合格することができました。
私は時間を掛けて約8ヶ月間、ほぼ毎日1日平均して2~3時間勉強したので、これからご紹介する方法は「1~3ヶ月の短期間で勉強したい!」という方にはおススメしません。
私が試した勉強のやり方は、6ヶ月位かけてコツコツと勉強したい方に向いています。
本日はその勉強方法をご紹介します!
受験動機とアドバイス
私はもともと医療分野に興味があり「実務を通して、医療分野の勉強がしたい」と思ったことがきっかけで登販の資格を取ろうと勉強を始めました。
しかし、当時はドラッグストアに勤めていなかったのもあって、周りに登販を持っている人はいません。
その為、誰からも試験の経験談を聞けませんでした。
「どうやって勉強していこう…」と悩んでいた時に、私の掛かりつけ病院の主治医や掛かりつけ薬局の薬剤師さんが勉強方法のアドバイスをしてくれたのです!
私はそれらを参考に勉強をして無事に合格することができたので、現在はドラッグストアで日々、薬の勉強をしています。
使った教材
私が登販の試験勉強で使った教材は以下の4つです。
私は「登録販売者合格教本」と「全国登録販売者試験過去問正解」をメインに使って勉強していました。
テキストを購入する時は「いつ出版されたか」、これは忘れずに確認しましょう。
必ず最新版を買ってください。
薬機法が変わっていたり薬の成分が追加されていたりして、古いものだと試験範囲に対応していない場合があるためです。
受験する年の試験出題範囲が発表される前にテキストを購入された方は、出題範囲を見て自分が持っているものがそれに対応しているのか確認してください。
また、教材を買わなくても厚生労働省のHPから「試験問題の作成に関する手引き」をダウンロードして勉強できます。
こちらが厚生労働省のリンクです。
ただ、これは文字だけでイラストや図は一切ないので、勉強開始初期には分かり辛いかもしれません。
「この資料をメインに学習する」というよりは、テキストなどである程度の知識を身に付けてからの応用編として利用するのが良いでしょう。
余裕を持って勉強しよう
登録販売者試験の勉強は、簡単に言えば「暗記するだけ」です。
各都道府県のHPには「厚生労働省が定める試験問題の作成に関する手引きから出題します」と記載されていて出題範囲が分かっているので、難しいことは考えずに「覚えるだけ」と思ったほうが勉強のプレッシャーは無くなるはずです。
私は1月から試験日までの約8ヶ月間、ほぼ毎日1日平均して2~3時間勉強していました。
けっこう長い期間勉強しましたが、この勉強期間は長すぎたと感じています。
勉強期間は正確には7ヶ月位で、それは5月頃にやる気ゼロになってしまい、おおよそ1ヶ月の間は何も勉強していなかった為です。
今、試験の勉強を振り返ると、やる気を継続させるためにも「勉強期間は6ヶ月位で良かったかも…」と感じています。
ただ、余裕をもって勉強したことで1日の勉強時間が減り、得意な分野の点数を確実に取れるようにしたり、細かいところまで覚えたりすることができたので、試験対策はしやすかったです。
1つの教材をひたすら読んでインプット
私は「登録販売者合格教本」をひたすら読んで覚えました。
気を付けてほしいのが、ノートにまとめないことです。
私は勉強を始めた頃にこれをやってしまい、時間を無駄にしてしまいました。
「ノートにまとめたほうが覚えやすいだろう」とまとめ始めたけど時間がかかるだけで何も頭に入ってきません。
登販の勉強をしていた頃、私は週1のペースで病院で処方箋を渡されていたので、掛かりつけ薬局の薬剤師さんと世間話をするほど仲良くなっていました。
薬剤師さんに登販の勉強で「ノートにまとめているけど覚えられない」と話したら、次のようなアドバイスをくれます。
「まとめるのをやめて、テキストをひたすら読んで!飽きても読み続けて!そうすれば嫌でも覚えられるから」
これには半信半疑でしたが、薬剤師さんがアドバイスをしてくれた翌日から2ヶ月間は、テキストをひたすら読みまくって覚える作業をします。
そうしたら、3月に過去問を解いたら合格基準を超えていました!
今だから思えることですが、テキストは重要なことがまとめられているから、自分でまとめる必要はなかったんです(笑)
まずはテキストを繰り返し何度も何度も、飽きるほど読んでください。
過去問でアウトプット
私は2ヶ月かけてテキストを読みまくって、その後は過去問を解いて記憶の定着を確認し、分からないところは過去問の解説やテキストで確認していました。
過去問は答えを覚えるのではなく、1回1回「なんでこの答えになるのか」考えて解きましょう。
「全国登録販売者試験過去問正解」は、全国の過去問が解説付きで各年度ごとに出版されています。
以下のように、問題の間違っている選択肢が「なぜ違うのか」が全て1問1問解説されているのでとても分かりやすいです。
解答に自信が無かったり間違っていたりする問題は、解説を読むと納得して理解できます。
私は過去問を記憶をアウトプットする手段として利用していました。
覚えて、その覚えた記憶を思い出す作業を繰り返すことが記憶の定着につながると思って勉強したのです。
確実に合格するために
私は過去問で正答率が8割を超えても、記憶が曖昧だったり覚えられていなかったりする言葉がありました。
私は摂食障害で精神科の病院にかかっており、登販の勉強をしていた時期は主治医と登販のことについても話していました。
医薬の分野に精通した人達に話を聞くチャンスだと考え、悩みを打ち明けることに。
「テキストの内容を全部覚えられてないし自信を持って答えられないのが多くて、合格できるのか焦ってしまう」と、悩みを打ち明けてみると、流石は経験者だと感じさせてくれるような的確なアドバイスをいただけました。
その際の要点を以下にまとめておきます。
- 登録販売者試験は上位何名が合格ではない
- 一定基準を超えれば合格できる試験は、満点を目指さない
- 苦手な分野は捨てて、得意な分野で確実に点数を稼ぐ
私はこのようなアドバイス参考に、合格基準から間違えられる問題数を考えて勉強していました。
登録販売者試験の合格基準は各章4割以上で合計7割以上の正答率です。
20問出題される1・2・4・5章は12問まで、40問出題される3章は24問まで間違えられます。
それを合計36問以内に納めれば良いのです。
得意な分野で点数を稼ぎ、苦手な分野は合格基準を下回らないようにします。
薬に関する知識を身につけることは重要ですが、「合格」しなければ何も始まりません。
なぜ間違えたのか分析する
私は過去問を解く時は、ノートに解答を書いていました。
問題を解くのに何分かかったか、各章及び全体の正答率はどのくらいか、毎回記録。
採点する際に間違った問には「ケアレスミス、勘違い、知識不足…」等も記載しました。
知識が正確に身についていないものは、その言葉をノートに大きく書いたり、大きめの付箋に書いて過去問集や教材の表紙に貼ったりして、嫌でも目に通すようにして覚える。
そうすることで、自分がどこが得意なのか苦手なのかが分かるようになります。
苦手な分野は捨てる
何度も過去問を解くと「どうしても解けない・分からない」という苦手な問題が分かってきます。
各章でどうしても解けない問題がたくさんあるなら合格基準を超えるように覚えなければいけませんが、数問程度なら捨てましょう。
その問題ばかりが出るわけではありません。
注意してほしいのは、合格点ギリギリまで捨て問を作らないこと。
ケアレスミスや想定外の問題での失点を考えてください。
私は3章の「胃腸に作用する薬・公衆衛生用薬・漢方・生薬」をなかなか覚えられなくて、これらは捨てました。
5章は全体的に苦手だったので、捨て問は作れずにテキストを読んで過去問解くのを繰り返し。
試験前は5章の勉強ばかりして、4割以上点数を取れるように頑張ったのです。
得意な分野は100%正解するように覚える
捨て問でどのくらい失点するか。
過去問を解くとおおよそ把握できますね。
捨て問以外は全部点を取る勢いで覚えましょう。
苦手なものに取り組む精神的な負担が減り、勉強をするのが気持ち的にラクになって捗るのではないでしょうか?
私は過去問を解くと1・2・4章は9〜10割正解するようになっていたので、この3つの章では点数を落とさない意気込みで覚えました。
3章の中でも正答率の高い成分は、教材を何度も読んで頭に叩き込む。
5章での失点を考えて、他の章での失点を最小限に抑えたかったのです。
そして、私が1番警戒していたのが本番でのケアレスミスと不安や焦り。
私は思い込みからのケアレスミスが多く、本番のプレッシャーに弱いので、試験当日に自分の力を100%出しきれるか不安でした。
そこで、次のような対策をして乗り越えたのです!
- 文字は1文字ずつチェック
- キーワードとなる言葉に印をつける
- 語尾は必ず丸をつけて確認
- 緊張したり頭の中が真っ白になったりしたら深呼吸
「頭の中が真っ白になったら深呼吸をして落ち着こう」と思えていたからなのか、試験当日は落ち着いて問題を解くことができました。
そして、問題文を鉛筆で1文字ずつ追いながらキーワードとなる言葉や語尾に印を付けながら読んで、ケアレスミスは3問。
ケアレスミスが大量発生するかと思っていましたが、3問だけで安心しました(笑)
手引きをコピーして細かい内容も覚える
過去問を解いていると「こんなことテキストに書いてなかった」と思うことがありますよね。
テキストに書かれていない内容も出題されることがあり、先ほど紹介した「試験問題作成に関する手引き」を読むと、そうした内容も理解できます。
だからテキストの内容だけでなく、「試験問題作成に関する手引き」を読むと解ける問題が増えるので、時間がある方は読みましょう。
また、登録販売者の試験は年々難しくなっているようで、私が受験した翌年に試験を受けた職場の人は「試験対策の講座で先生が出ると言っていた所を全部覚えたのに、1つも出なかった」と嘆いていました。
「過去問を分析するとこういうとこが頻出されているから…」と過去問の内容だけ覚えるのではなく、テキストの内容を隅々まで覚えて、時間に余裕があれば教材に載っていない手引きの内容も覚えたほうが安心ですね。
楽しんで勉強しよう
私は勉強を始めた頃、登販のテキストには見慣れない言葉ばかり書いてあって、すんなりと頭に入ってきませんでした。
そんな私でしたが、読み込んでいくうちに分かる言葉が増え、「この言葉の説明ができる」というちょっとしたことが嬉しくなって、徐々に勉強が楽しくなっていきます。
私は本日紹介した方法で試験に合格することができましたが、このやり方で100%合格できる保証はありません。
私の記事や他のサイトのやり方を参考にして、自分にあった勉強方法が見つかるといいですね。
登販は試験勉強より受かってからが大変なので、とりあえず試験突破できるように頑張ってください!
また、私は合格してドラッグストアで働き始めましたが、実務が思うように出来なくて悩んでいました。
その悩みとそこから抜け出した方法を書いたので、合格したら以下の記事を読んでみてください。
また、この記事でちょろっと摂食障害で通院していると書きました。
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